2013年6月9日日曜日

今週の注目ニュース(6/9)


・MOOCsの導入がもたらす隠されたコスト

サンノゼ州立大学はMOOCプロバイダのUdacityと提携して、大学単位を取得できるオンライン講義を開講するパイロットプロジェクトを進めている。中でも数学の基礎科目のオンラインコースは、インターネット接続環境のある人なら誰でもサンノゼ州立大学の単位を取得できる。高校やコミュニティカレッジや大学が参加し、所属する学生がオンライン講義を受講している。

しかし低所得家庭の学生の一部は、コンピュータやインターネット接続が家にないためコースを十分に受講できていない。また参加校の一つOakland Military Instituteは、受講する45名の学生のためにコンピュータ教室の大半を提供し、学生の質問に答えたり課題に取り組ませるために、コンピュータ教室の教師がかなりの時間を使い学習支援を行っている。このようなオンライン教育を導入するためのインフラや機器、人員などの「隠れたコスト」が明らかになってきている。一方で、オンライン講義を受講している学生からの評判は上々で、学習そのものは順調に進んでいるようである。

生徒の学習環境が学校や大学から外へと広がったとき、その拡張に必要な負担を誰がどのように担うかについて、まだ十分に議論されているとは言いがたい。家庭や地域のデジタルデバイドや収入格差が、オンライン教育の導入にとって躓きとなりうることを念頭に置く必要がある。

San Jose State's online college course experiment reveals hidden costs - San Jose Mercury News http://www.mercurynews.com/education/ci_23366281/online-college-course-experiment-reveals-hidden-costs

・カリフォルニア州で大学でのMOOCs活用を支援する法案が通過

カリフォルニア州で、SB520とよばれるオンライン教育を推進する法案が通過した。州内で大学向けのオンライン講義の制作に補助金を与え、需要の高い1、2年次のコースを20講義程度作ることを目指す。CourseraやUdacityのような企業と連携することも認められている。

カリフォルニア州では大学への入学希望者が定員に追いつかない一方、州からの補助金が減らされ大学教育のコストを削減する必要に迫られている。この法案を支持する議員は、この課題を解決し州内の大学教育を標準化するため、オンライン教育を活用することが有効だと主張している。

この法案は同州の教育問題の解決につながると指示される一方、営利企業が公的な教育に入り込むこと、既に似たような法案が存在すること、教育予算の削減をそもそも改めるべきなどの批判も多い。このような州政府の後押しにより、大学教育におけるMOOCs活用がさらに拡がることになりそうだ。

Online education bill passes in state Senate despite opposition - The Daily Californian http://www.dailycal.org/2013/06/04/online-education-bill-passes-in-state-senate-despite-opposition/

MoveOn Petitions - UC Faculty Opposition to SB520 -- Automatic MOOC transfer credit http://petitions.moveon.org/sign/uc-faculty-opposition

・米政府が学校へのインターネット普及を加速

米国政府が「ConnectED」というイニシアチブを開始した。これからの教育はデジタル技術を活用してより双方向個別的になり、実世界と接続されるという考え方から、連邦通信委員会に初中等学校と図書館の99%に高速インターネット接続を提供することを促す。また学校におけるテクノロジ活用や教師向けのトレーニングを提供する。教育分野の企業の参加も促す。

ConnectEDの趣旨を説明したホワイトハウスのブログには、全ての学校に高速インターネット接続が施設され、2016年までに紙の教科書をデジタル教科書に置き換える韓国の事例が紹介されている。このイニシアチブは、遅れをとり不利な立場にある米国の学校を改善することを目的としている。

What is ConnectEd? | The White House
http://www.whitehouse.gov/blog/2013/06/06/what-connected