■破壊的イノベーションとしてのMOOCの可能性
MOOCsがクリステンセンの言うところの「破壊的イノベーション」であるかについての、「教育x破壊的イノベーション」著者らの論考がWiredに掲載されています。
彼らは、CourseraやEdXなどの大学によるMOOCは、高等教育のマーケットリーダーによる取り組みである以上、今の市場を破壊することはないと主張しています。むしろ、Khan AcademyやKnewtonのようなユーザ間の学習を促進するネットワークこそが、破壊的イノベーションの担い手として可能性があると述べています。
CourseraやUdacityのようなプラットフォーマーを、大学というマーケットリーダーの一部とみなすか外部とみなすかで解釈は異なりそうですが、興味深い議論です。
Beyond the Buzz, Where Are MOOCs Really Going? | Wired Opinion | Wired.com
http://www.wired.com/opinion/2013/02/beyond-the-mooc-buzz-where-are-they-going-really/
■適応学習(Adaptive Learning)への期待と学習履歴データ活用
学習履歴データをもとに、学習者それぞれの能力に合わせた学習課題を与える「適応学習(Adaptive Learning)」が注目されており、いくつかの教育関連の企業が適応学習を取り入れた学習ツールを販売しています。ゲイツ財団は、大学がこれらのツールを選ぶ上で参考となる調査を行い、ツールの比較などの結果をまとめたレポートを公開しました。
Gates foundation helps colleges keep tabs on adaptive learning technology | Inside Higher Ed http://www.insidehighered.com/news/2013/04/04/gates-foundation-helps-colleges-keep-tabs-adaptive-learning-technology
・レポートの入手はこちらから
Research : Education Growth Advisors
http://edgrowthadvisors.com/research/
■MOOCsを反転授業に活用する:カリフォルニア州立大学の事例
カリフォルニア州立大学サンノゼ校は、edXで公開されるMOOCsを反転授業に活用するプロジェクトを行なっています。受講生の合格率が、通常の授業では50%台だったものが、反転授業を取り入れることで90%台にまで上昇しました。これを受けて、カリフォルニア州立大の他のキャンパスにも拡大することになりました。なお、使われているMOOCsは、電子回路の講義「Circuits & Electronics」とのこと。MOOCsを大学キャンパスでの教育に活用する先行事例として、注目を集めそうです。
SJSU & edX Announce Major Expansion | SJSU News http://blogs.sjsu.edu/today/2013/sjsu-and-edx-announce-major-expansion/
サンノゼ校の事例を紹介したビデオも公開されています。