2012年8月23日木曜日

電子教科書は使いづらく、生徒や教師に好まれないという調査


学術ネットワークグループのInternet2と出版社が、コーネル大学など5つの大学において、電子教科書を授業で用いるパイロットプロジェクト行なった。調査の結果、多くの大学生が電子教科書を歓迎したものの、電子教科書が使いづらく、紙の教科書を好んでいることが明らかになった。
アンケートから、電子教科書は紙の教科書に比べて値段が安いため、生徒は電子教科書が選べることを歓迎している。しかし、電子教科書は閲覧がしにくいことに不満を持っている。電子教科書には、ノートを共有したりテキストからリンクを生成する機能などが組み込まれているが、教師はこの機能を使っておらず、生徒もこの機能を使っている人がいないために使わず、生徒同士のインタラクションを助けるとも思っていないと答えている。
報告書では、今後の課題として電子教科書の機能を有効活用するよう教員をトレーニングすることや、電子教科書を配布するプラットフォームとは独立して電子教科書を評価する方法を確立することを挙げている。
このパイロットプロジェクトは、参加校を24校に増やし今秋以降も続く予定である。

Students Find E-Textbooks 'Clumsy' and Don't Use Their Interactive Features - Wired Campus - The Chronicle of Higher Education
http://chronicle.com/blogs/wiredcampus/students-find-e-textbooks-clumsy-and-dont-use-their-interactive-features/39082?cid=pm&utm_source=pm&utm_medium=en

ここでも以前、大学が電子教科書を一括購入することで価格を下げる取り組みを紹介した。電子教科書は価格の安さは魅力的だが、同じ内容で紙の教科書を手に入れることができるのであれば、電子教科書が必ずしも選ばれるわけではないことを示した調査だといえる。
この調査は規模を拡大して今後も続くとのことである。電子教科書の可能性を探るために、出版社も協力してこのようなパイロットプロジェクトが行われていること自体に、大きな価値があると思われる。日本でもこのような試行的な取り組みが行われることを期待したい。

OpenEducation Update JP: 電子教科書の一括購入で米国5大学が連携 - http://oedupdate.jamsquare.org/2012/01/5.html

2012年8月22日水曜日

オンライン学習コミュニティP2PUがMOOCsを開始

オンライン学習コミュニティのP2PU(Peer 2 Peer University)が、MOOCs(Massive Open Online Courses:大規模公開オンラインコース)を開設した。

A Gentle Introduction to Python - Mechanical MOOC -
http://mechanicalmooc.org/

プログラミング言語Pythonを教える学習コースが提供される。このコースは、P2PUの中だけで完結するのではなく、MIT OCWやCodeacademyなど、他の教育プラットフォームと連携することが特徴である。コンテンツはMIT OCWから提供され、クイズや練習課題はCodeacademyから、質問などをし合うスタディグループはOpenstudyを使うなど、いくつかのプラットフォームを行き来しながら学ぶ仕組みのようである。

今年に入ってMOOCsを開設する動きが急速に広まっているが、MOOCsでは教材を公開するだけでなく、課題やクイズを用意したり、学習者のコミュニティサイトを作るなど、サービスの開発や維持に大きな手間がかかる。既存のサービス同士が連携することで、MOOCsを開設しやすくする試みであり、とても興味深い。

‘Mechanical MOOC’ to Rely on Free Learning Sites - NYTimes.com - http://www.nytimes.com/2012/08/21/education/mechanical-mooc-to-rely-on-free-learning-sites.html?_r=1