2012年4月7日土曜日

学校でどのタブレットを使うかは、生徒の好みで決まる?

iPadのようなタブレット端末の普及に伴い、学校において生徒一人ひとりにタブレット端末を持たせて授業に使おうとする動きが広がっている。私がICT教育活用アドバイザーとして関わっている西武台新座中学校でも、総合的な学習の時間を皮切りに、一人に一台のiPad2が割り当てられ、校舎内で使うことができるようになっている。

このような取り組みで問題になるのは、学校において誰がどのようにタブレット端末を提供するかということである。現状、学校が校内で使うことを前提に貸与することが多いが、学校において全ての生徒に対してタブレット端末を用意することは、費用的負担を考えると難しい。 そこで、生徒が自分で持っているタブレット端末を学校に持ち込み使うことも想定されている。

このとき問題となるのは、どのタブレット端末を学校として選ぶかという問題だ。一斉授業で使ったり、同一の教材を配布することを考えると、端末の機種は統一されているほうが都合がよい。現状で様々なメーカーからタブレット端末が発売されているが、学校が機種を「選定」するにあたり、生徒がすでに持っていたり、生徒や父兄に人気のある機種を選ぶ方が都合がよいだろう。

この記事では、学校のITマネージャを対象とした調査から、学校でどのタブレットを使うかは、生徒の好みで決まるであろうことを指摘している。

Student Vote Could Give Apple the Edge in Classroom Computing Race -AllThingsD
http://allthingsd.com/20120405/student-vote-could-give-apple-the-edge-in-classroom-computing-race/

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(以下引用)

“The majority of IT managers believed that ‘bring your own device’ policies would be the major driver in achieving a one-to-one ratio,” says Piper Jaffray analyst Gene Munster. “Given iPad’s current majority market share among teens (70 percent of teen tablet owners owned iPads), we expect iPad would be the device most likely desired by students in choosing their own devices. … Ultimately we expect school ‘bring your own device’ policies paired with the popularity of iPads among teens will lead to the iPad owning the educational tablet market.”

「ITマネージャの大部分は、「自分でデバイスを持ちこむ」ポリシーは「one-to-one(生徒それぞれがデバイスを持つこと)」を実現するための主な後押しになるだろうと信じていた」と、Piper JaffrayのアナリストであるGene Munsterは言う。「iPadが現状、市場シェアを主な部分を占めていること(10代の70%が持っているタブレットはiPad)を踏まえると、iPadは生徒が自分のものとして選ぶデバイスとして最も望まれるもののようである…。究極的に、我々は「自分でデバイスを持ちこむ」ポリシーは10代におけるiPadの人気と合わさって、iPadが教育のタブレット市場を勝ち取ることにつながるだろう。」

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(以上引用)

iPadのようなiOSデバイスは、人気があるだけでなく価格も下がりはじめている。先日新しいiPadが発表された時、iPad2が399ドルに価格を下げて継続販売された。また米国ではiPhone4は99ドル、 3GSは無料で販売されている(通信事業者との契約ベース)。
http://store.apple.com/us/browse/home/shop_iphone/family/iphone

これまで学校においてICT機器としてPCを使う場合は、パソコン教室などに置かれた端末を生徒が共有して使っていた。また、WindowsなどのOS自体が持つ互換性の高さにより、特にウェブを使った授業を行う場合には、機種に依存して使い方が変わることも少なかった。
しかし、学校においてタブレット端末を使う場合、タブレット端末のOS自体が携帯電話のように一人が一台の端末を専有するように設計されていて、共有することが難しい。また、OSに依存したアプリケーションを使うことも多いため、どのタブレットを選ぶかで、授業で使える教材が限られてしまう。

タブレット端末を学校で使うときには、これまで学校が培ってきたICT機器を扱うノウハウでは間に合わず、新たに利用方法やルールを作り直す必要がある。生徒が端末を持ち込んで授業に使う場合、学校のネットワークで生徒それぞれの端末が共存するため、セキュリティポリシーを見なおす必要もあるだろう。私自身も関わっている中学校において悩んでいる課題でもあるが、タブレット端末を学校で有効活用することについては、解決すべき問題が山積している状況だといえる。