2012年4月24日火曜日

無料学習用ビデオKhan Academyを使う学校の事例集

独自の学習用ビデオを無償配信するKhan Academyが、学校で使われている事例を紹介した記事。
12の学校の事例があげられている。そのうち一番目のLos Altos School Districtは、Khan Academyと連携したパイロットプログラムに参加している。ビデオは既存の授業の補修や学習支援に使われているという。今のところKhan Academyを使うことによる学習効果は明らかになってはいないが、報告の多くでは伝統的な教科書と比べて、生徒はより熱心に学習に取り組んでいるとされている。


12 Inspiring Schools Using Khan Academy | Online Universities
http://www.onlineuniversities.com/blog/2012/04/12-inspiring-schools-using-khan-academy/

インフォグラフィック:学生は電子教科書をどう使っているか

米国で電子教科書や電子教材を作っているcoursesmartによる調査。
高校生と大学生を対象とし、テクノロジ利用や電子教科書の利用状況を調査した。

  • 学生の98%がデジタルデバイスを持っていて、73%の学生がテクノロジ無しでは学ぶことができないと答えた。
  • 電子教科書を使う理由として、73%が価格が安いこと、25%がアクセスが容易なことをあげた。
  • 電子教科書の好ましい機能として、52%が検索機能、20%がハイライト機能をあげた。
などのデータがインフォグラフィックで示されている。
下のリンクからインフォグラフィックを見ることができる。


A Look at Students Using eTextbooks (Infographic) - AppNewser
http://www.mediabistro.com/appnewser/a-look-at-students-using-etextbooks-infographic_b21348


CourseSmart - Media
http://www.coursesmart.com/media#pr12

2012年4月7日土曜日

オープンな教育資源(OER)を提供する企業が出版社から提訴される

オープンな教育資源(OER:Open Educational Resources)の普及が進んでいる。高価な教科書の代わりにオープンな教材を無償で手に入れることで、教育コストの大きな部分を占める教科書代を節約することができる。このことで、より多くの人々が教育機会を手に入れることができると期待される反面、これまで教科書を作り続けてきた出版社の権利を侵害しているとの意見もある。

大学で使う教科書の代替となるオープンな教科書を提供しているBoundless Learningが、3つの出版社から提訴された。出版社らは、Boundless Learningが提供する教材を制作する過程で、出版社の教科書を不正に使い著作権を侵害していると主張している。

3 Major Publishers Sue Open-Education Textbook Start-Up - Wired Campus - The Chronicle of Higher Education
http://chronicle.com/blogs/wiredcampus/3-major-publishers-sue-open-education-textbook-start-up/35994

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(以下引用)

The publishers’ complaint takes issue with the way the upstart produces its open-education textbooks, which Boundless bills as free substitutes for expensive printed material. To gain access to the digital alternatives, students select the traditional books assigned in their classes, and Boundless pulls content from an array of open-education sources to knit together a text that the company claims is as good as the designated book. The company calls this mapping of printed book to open material “alignment”a tactic the complaint said creates a finished product that violates the publishers’ copyrights.

出版社の苦情は、この成り上がり者がオープンな電子教科書を作る方法、すなわちBoundlessが高価な印刷教材に対する無料の代用品を宣伝していることに対して反論している。デジタルの代替教材にアクセスするとき、まず生徒は授業で指定された伝統的な教科書を選択する。すると、Boundlessは大量のオープンな教材からコンテンツを引っ張ってきてテキストを結び合わせ、指定された教科書と同じくらいよいとBoundlessが主張する教材を生成する。この企業が、印刷教材とオープンな教材との「連携」と呼ぶこの方法について、(出版社の)反論では最終的に生成される教材が出版社の著作権を侵害していると主張している。

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(以上引用)

この訴訟では同時に、Boundlessと匿名の10名によるグループ(a group of 10 anonymous)も訴えられている。出版社は、彼らが出版社の著作権を侵害しながらBoundlessのオープンな教材の制作に関わっていると主張している。

これに対し、Boundless Learningは全面対決の構えである。同社のBlogでも出版社の追訴に対し、徹底的に争う姿勢を見せている。

$8M in Funding and a Lawsuit to Boot? Game on. - Boundless
http://blog.boundless.com/post/20543499968/boundless-8-million-lawsuit


オープンな教育資源が作られる目的や過程にもよるが、これらの教材が過去に出版された教科書を手本として作られていることは、想像に難くない。このような教材の著作権をどう考えるかは、専門家の間でも意見が分かれているのが現状である。Boundless Learningのように、ベンチャー企業として出資を受け、オープンな教育資源の普及に商業ベースで取り組む企業体も増えてきている。 企業同士のビジネスモデルの戦いという要素も孕みつつ、オープンな教育資源を作る過程での著作権をどう考えるかについての議論が今後増えることが予想される。

学校でどのタブレットを使うかは、生徒の好みで決まる?

iPadのようなタブレット端末の普及に伴い、学校において生徒一人ひとりにタブレット端末を持たせて授業に使おうとする動きが広がっている。私がICT教育活用アドバイザーとして関わっている西武台新座中学校でも、総合的な学習の時間を皮切りに、一人に一台のiPad2が割り当てられ、校舎内で使うことができるようになっている。

このような取り組みで問題になるのは、学校において誰がどのようにタブレット端末を提供するかということである。現状、学校が校内で使うことを前提に貸与することが多いが、学校において全ての生徒に対してタブレット端末を用意することは、費用的負担を考えると難しい。 そこで、生徒が自分で持っているタブレット端末を学校に持ち込み使うことも想定されている。

このとき問題となるのは、どのタブレット端末を学校として選ぶかという問題だ。一斉授業で使ったり、同一の教材を配布することを考えると、端末の機種は統一されているほうが都合がよい。現状で様々なメーカーからタブレット端末が発売されているが、学校が機種を「選定」するにあたり、生徒がすでに持っていたり、生徒や父兄に人気のある機種を選ぶ方が都合がよいだろう。

この記事では、学校のITマネージャを対象とした調査から、学校でどのタブレットを使うかは、生徒の好みで決まるであろうことを指摘している。

Student Vote Could Give Apple the Edge in Classroom Computing Race -AllThingsD
http://allthingsd.com/20120405/student-vote-could-give-apple-the-edge-in-classroom-computing-race/

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(以下引用)

“The majority of IT managers believed that ‘bring your own device’ policies would be the major driver in achieving a one-to-one ratio,” says Piper Jaffray analyst Gene Munster. “Given iPad’s current majority market share among teens (70 percent of teen tablet owners owned iPads), we expect iPad would be the device most likely desired by students in choosing their own devices. … Ultimately we expect school ‘bring your own device’ policies paired with the popularity of iPads among teens will lead to the iPad owning the educational tablet market.”

「ITマネージャの大部分は、「自分でデバイスを持ちこむ」ポリシーは「one-to-one(生徒それぞれがデバイスを持つこと)」を実現するための主な後押しになるだろうと信じていた」と、Piper JaffrayのアナリストであるGene Munsterは言う。「iPadが現状、市場シェアを主な部分を占めていること(10代の70%が持っているタブレットはiPad)を踏まえると、iPadは生徒が自分のものとして選ぶデバイスとして最も望まれるもののようである…。究極的に、我々は「自分でデバイスを持ちこむ」ポリシーは10代におけるiPadの人気と合わさって、iPadが教育のタブレット市場を勝ち取ることにつながるだろう。」

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(以上引用)

iPadのようなiOSデバイスは、人気があるだけでなく価格も下がりはじめている。先日新しいiPadが発表された時、iPad2が399ドルに価格を下げて継続販売された。また米国ではiPhone4は99ドル、 3GSは無料で販売されている(通信事業者との契約ベース)。
http://store.apple.com/us/browse/home/shop_iphone/family/iphone

これまで学校においてICT機器としてPCを使う場合は、パソコン教室などに置かれた端末を生徒が共有して使っていた。また、WindowsなどのOS自体が持つ互換性の高さにより、特にウェブを使った授業を行う場合には、機種に依存して使い方が変わることも少なかった。
しかし、学校においてタブレット端末を使う場合、タブレット端末のOS自体が携帯電話のように一人が一台の端末を専有するように設計されていて、共有することが難しい。また、OSに依存したアプリケーションを使うことも多いため、どのタブレットを選ぶかで、授業で使える教材が限られてしまう。

タブレット端末を学校で使うときには、これまで学校が培ってきたICT機器を扱うノウハウでは間に合わず、新たに利用方法やルールを作り直す必要がある。生徒が端末を持ち込んで授業に使う場合、学校のネットワークで生徒それぞれの端末が共存するため、セキュリティポリシーを見なおす必要もあるだろう。私自身も関わっている中学校において悩んでいる課題でもあるが、タブレット端末を学校で有効活用することについては、解決すべき問題が山積している状況だといえる。